有料老人ホームでかかる費用
さて、有料老人ホームの入居を考えることになった女性(と身内)。
調べてみると、有料老人ホームにも受けられるサービス内容にていくつかの種類があることを知りました。
有料老人ホームは介護付・住宅型・健康型の3種類
有料老人ホームは、受けられるサービスと介護が必要になったときの対処法によって「介護、住宅、健康」の3種類の型があります。
大まかに説明すると以下のとおりです。
種類 | 受けられるサービス | 介護が必要になった場合 |
介護付 | 「特定施設入居者生活介護」の指定を受けている施設を指し、生活の支援・身体の介護を受けることができる。介護保険自己負担は定額制 | 元より介護サービスを含む |
住宅型 | 食事、洗濯、清掃などの生活支援。介護保険自己負担は使用した分の費用を払う | あたらめて外部の事業体と契約を結び、介護サービスを受ける |
健康型 | レクリエーション設備が豊富。家事手伝いなどの日常生活のサポートを受けながら、楽しい老後生活を送ることができる | 退去 |
この女性の場合、施設への入居のきっかけは「自分で自分のことができなくなった」ということでしたから「介護型」を選びました。
介護付有料老人ホームでかかる費用
かかる費用は、加入一時金と月々の利用料になります。
前述のとおり、有料老人ホームは営利法人が運営していることがほとんどです。
提供するサービスの質によって、かかる費用も大きく変わります。
また、施設がある場所も費用に大きく影響してきます。
東京23区内を中心として大都市圏にある有料老人ホームでは、かかる費用が高くなる傾向にあります。
費用に大きな幅が出そうなので、やはり設定を追加して具体的な金額を出してみようと思います。
東京23区内の介護付有料老人ホームを選び、費用を算出
この女性は東京23区、それも下町郊外の介護付有料老人ホームを選ぶことにします。
女性の追加設定
- 1966年4月生まれ。短大卒業後、21歳より65歳まで会社勤め。95歳で死去
- 82歳から都内東部の介護施設に入居。95歳で死去
実際に他のサイトのシミュレーションを使用してみます。
使用させていただいたのは、老人ホーム検索サイト「みんなの介護」様です。
待機目的の入居ですから、条件は「入居一時金0・要介護3・自己負担1割」でシミュレーションしました。
シミュレーションの結果「入居一時金0・月額利用料を抑えられる」順に3つの施設を表にしました。
費用内訳 | 介護付有料老人ホームA | 介護付有料老人ホームB | 介護付有料老人ホームC |
賃料 | 9.4(個室12.9m²) | 10.6(個室17.98m²) | 11(個室18.26m²) |
管理費・運営費 | 2.2 | 8.6 | 12 |
食費 | 5.9 | 6.6 | 6.8 |
水道光熱費 | ー | ー | ー |
上乗せ介護費 | ー | 3.3 | ー |
介護保険料 | 2.2 | 2.2 | 2.2 |
その他 | ー | 0.1 | 0.1 |
月額利用料 | 19.7 | 31.4 | 32.1 |
水道光熱費は実費でしょうか、記載されていませんでした。
老人ホームBの上乗せ介護費というのは、介護職員の人件費です。
入居者数に対して介護職員が多く配置されているという費用です。
介護付有料老人ホームで暮らした費用は、1.5年で612万円
結局、女性は身内の者と相談して、特別養護老人ホームへ入居するまでの待機施設としてホームBを選びました。
お金のことだけを考えればホームAなのですが、「個室面積が他の2ホームの7割程度の広さしかないこと・管理費が極端に低いこと」が気になりました。
ホームBは、上乗せ介護費用を入れてもホームCよりも出費が抑えられるということもありました。
月額利用料と実費を合わせて、ひと月にかかる費用は34万円で計算する。
月にかかる費用は、表にある金額だけではすみません。
ティッシュペーパーや歯ブラシなどの日用品、理美容代などもかかってきます。
それらを2.6万円と考え、この有料老人ホームBで暮らす費用を、1ヵ月=340,000円としました。
待期期間1.5年(18ヶ月)で、6,120,000円です。
特別養護老人ホームでかかる費用
特別養護老人ホームへの入居申請をして1年半、やっと入れる順番が回ってきました。
特別養護老人でひと月にかかる費用は、11.5年で1807,8万円
特別養護老人ホームでかかる費用は「介護保険サービス自己負担分+居住費+食費+実費」になります。
介護度 | 介護保険サービス自己負担(1割) | 居住費 | 食費 | 合計 |
要介護1 | 16,765円(167,650円/月×10%) | 35,610円 (1,171円/日×30.41日) ※365日÷12ヵ月=30.41日 |
42,330円 (1,392円/日×30.41日) ※365日÷12ヵ月=30.41日 |
94,705円/月 |
要介護2 | 19,705円(197,050円/月×10%) | 97,645円/月 | ||
要介護3 | 27,048円(270,480円/月×10%) | 104,988円/月 | ||
要介護4 | 30,938円(309,380円/月×10%) | 108,878円/月 | ||
要介護5 | 36,217円(362,170円/月×10%) | 114,157円/月 |
「従来型個室+要介護3+介護サービス自己負担1割」の設定をした、この女性の月額基本費用は104,988円となります。
これに実費がかかります。
この金額は介護付有料老人ホームでの実費金額同等と考え、26,012円としておきます。
この女性が特別養護老人ホームで暮らすひと月の費用は、104,988円+26,012円=131,000円としました。
入居期間11.5年(138ヵ月)で、18,078,000円です。
2つの老人ホームでかかる費用はおおよそ2420万円
特別養護老人ホームの順番待ちに入居した「介護付有料老人ホーム」でかかる費用が、6,120,000円。
待機後入居できた「特別養護老人ホーム」でかかる費用が、18,078000円。
わたしの計算では、女性がこの二つの介護施設でかかる費用は24,198,000円となりました。