五十を過ぎてドラムを習いだした妻。
いつしか口を開けば、彼女はこう言うようになりました。
’プライベートスタジオがあったらなぁ’
土地を更地にし、次は地盤調査と行動をおこしたわたしたち。
調査の依頼先を決めるために、相場を調べたり・建築事務所と相談したり。
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025. RC造とボーリング調査
プライベートスタジオを収納する家屋をRC造を前提に考え、地盤調査の方法を考える。「構造計算書の作成・重い建物を乗せる地盤の状態を正確に知る」こららの理由からボーリング調査で行うことは必然と考えられます。
事業者2社からの見積もりの検討を終えて、依頼先を決めました。
相場を調べ、’ 高くてもここまで ’と考えていた地盤調査費用が大幅にアップしそうです。
地盤調査費用は結局地盤次第、相場なんてあってないようなものだと学びました。
※文中に示す値や内容は、わたしたちがスタジオを作成してく過程で学んだことです。それぞれの分野に対し、わたしたちはあくまでも素人です。誤った数値や、解釈違いの内容があるかもしれません。ご了承お願いいたします。
見積もりの金額に倍近い差が出た
プライベートスタジオを作るため、「土地の購入」・「家屋の解体」と今まで経験したことのない手配をわたしたちはおこなってきました。
次は、地盤調査の依頼先の検討にかかることになりました。
今までは既存のものへの対処、この地盤調査からは新しものを作り出していくことへの対処、手配の窓口も建築士事務所に軸を移していくようです。
どうやら見積もりは、建築士事務所→構造計算事務所→地盤調査会社という流れで聞いてもらっているようでした。
解体工事を始め、今までも建築士の杉浦さんにはいろいろと相談に乗ってもらっていましたが、今回は自分たちで調査事業者を探すということもしませんでした。
地盤調査は結局地盤次第
わたしたちが事前に調べていた、地盤調査費用(ボーリング・標準貫入試験)の相場は15万円~25万円(税抜)。
そして、杉浦さんが代表を務める建築士事務所経由で頂いた見積りは2社3件。
3件が3件とも予算のみならず、相場上限を大幅に超えた金額でわたしたちは大慌てでした。
3件の見積書に目を通してみて思ったことは、地盤調査費用は結局その地盤次第ということ。
見積もり金額の差も上と下で倍近くの開きがあり、どうしようと二人で話し合いました。
地盤調査費用の構成項目
相見積もりには表現の違いはありましたが、おおよそ費用の構成は以下の項目から成り立っていました。
- 機械設備を持ち込む費用
- 作業場を設ける費用
- ボーリング(掘る)費用
- N値を測る(標準貫入試験)費用
- サンプリング(土の採取)費用
- 土を調べる費用
- 報告書を作成する費用
- 諸経費
この8項目の中で、4項目をもう少し詳しく説明します。
ボーリング(掘る)費用
地盤調査を調べていると、よく耳にする「ボーリング調査」という言葉。
実際は、ボーリング・標準貫入試験を略している場合がほとんどです。
地盤を掘る・その孔を使って試験をするという組み合わせで、その組み合わされる試験方法が標準貫入試験です。
ボーリング・標準貫入試験は土を採取するサンプラーを取り付けた鉄棒を使い、深さ1mごとにサンプラーを30㎝貫入させるために要した打撃回数をN値として記録していきます。
ちなみにN値とは、土の強度や堅さの指標となる数値です。
地形図や付近のボーリング調査結果を参考に費用が出てくる
まだ掘ってもいないのに、「どの深さまで掘る・どういう硬さの地層を掘る」なんてどうやって推測するのか不思議に思いますよね。
この推測材料には、古今の地形図・付近のボーリング調査記録を利用します。
これは、わたしたちが土地を購入する際に判断材料に使った地形図です。
地盤調査会社はもっともっと詳しい地形図や付近のボーリング調査記録を所有していて、それらの資料から見積もり対象の土地の状態を推測してきます。
例えば、深さ15メートルまで掘る必要があると推測すれば
- 10mまで-粘土・砂層でm単価いくら
- 10m~15mまで-䃯質層でm単価いくら
というように費用が出てきます。
もちろん、土地土地で地層は異なりますからあくまでも例です。
1m掘り進む費用は地層が硬ければ高く、上記の例の場合は䃯質層の方が粘土・砂層より硬い地層なのでm単価が高くなります。
ボーリングの目的は建築にふさわしい強固な地層の位置まで掘ることですから、掘ってすぐ硬い層が見つかることが理想です。
N値を測る(標準貫入試験)費用
掘った孔を使いながら、打撃試験を行いN値を計測します。
この試験は1mごとに行われるので、先の例の場合、15回の試験が行われることになります。
例えば上記の場合なら、
- 10mまで-粘土・砂層で1回単価いくら
- 10m~15mまで-䃯質層で1回単価いくら
調査会社によっては、「粘土・砂層→N値30未満」のように硬さの数値で表すこともあります。
1回打撃する費用は地層が硬ければ高く、上記の例の場合は䃯質層の方が粘土・砂層より硬い地層なので1回単価が高くなります。
標準貫入試験もボーリングと同様、建築にふさわしい強固な地層が早く見つかるならば、時間も費用をかけずに済みます。
サンプリング(土の採取)費用
ボーリング・標準貫入試験の特徴の一つに、実際の土を採取できるということがあります。
現在一般住宅向けの地盤調査で一番利用されている、スクリューウエイト貫入試験とはこの点も違います。
見積もり項目では、不攪乱試料採取やシンウォールサンプリングと明記されています。
費用の出し方は、「一式や地層ごとに」と表記の仕方が違っていました。
土を調べる費用
室内土質試験と書かれている費用項目です。
採取した不攪乱試料を室内に持ち帰って、地盤の物理特性・力学特性などを試験します。
室内土質試験として、試験項目はかなり用意されています。
しかし実際には全ての項目で試験するわけではなく、その土地に必要と推測されるものを見積もり項目として上げてくるようです。
わたしたちが購入した土地の場合は、2社の見積もりで
物理特性試験 | 力学特性試験 |
密度など土の物理的性質を調べる試験 | 地盤の強さを知るための試験 |
1.土粒子の密度 | 4.一軸圧縮試験 |
2.含水比 | 5.三軸圧縮試験 |
3.土の粒度 |
のべ5つの試験項目が上げられていましたが、力学特性試験のうち一軸圧縮試験は必要ないとわたしたちは判断しました。
費用の検討ポイント
2社の見積もりを比較検討して思ったことです。
項目を丹念に確認する・必要不要を判断する。
これは解体工事の依頼先を決める時にも思いました。
項目を丹念に確認する
見積もりを比較する場合、互いの項目をまず照らし合わせます。
その上で単価の高い安いを見て行きますが、項目によっては費用が複数に分散されているので要注意です。
必要・不要を判断する
わたしたちのような建築素人が判断するのは難しいのですが、そのためにいろいろ調べて必要・不要を決めました。
例えば、このような費用は不要と削除してもらいました。
- 交通誘導員
- 一軸圧縮試験
解体工事の見積もりを取った際に、どの見積書にも交通誘導員の費用は計上されていませんでした。
実際、解体の現場では隣近所に駐車の声かけをするなど、何も問題なく工事は終了しました。
依頼先を決めた理由
結果から言うと、費用の安い方の地盤調査会社に仕事を依頼しました。
すでに予算を大幅に超えてしまっている以上、できる限り費用を押さえたいと言うのは当たり前の話ですが、
妻の夢をかけている以上、やはりしっかりとしたものを作りたいと思ってきました。
しかし今回の選択に関しては、後押しが2つありました。
内容と費用のバランス
慣れないことだからこそ、心配や不安なことが数多く出てきます。
ポイントポイントで今回も建築家の杉浦さんに意見を求めていました。
まず、この1押し。
試験結果を使う実現場の評価
前述の通り、今回の地盤調査費用の見積もりは、地盤調査会社→構造計算事務所→建築士事務所と言う流れでわたしたちの手元にあがってきました。
これが2押し目。
ならば最初からこの事業者の見積もりだけをくれよと思ってしまいそうですが、相みつをとったからこそ、予算を大幅に超えた費用を了承する気になったと思います。
おわりに
土地を決める際に、可能な限り地形を調べました。
うまくいけば、関東ローム層の端の端にかかっているのではないか。
確かに端の端というのは、地盤調査会社にもそう見えたようです。
地盤調査の結果で、その後の土地改良の内容が決まってきます。
今度は予算のオーバーがないことを願うのみです。
調査は、月が明けてすぐに行われるようです。
※文中に示す値や内容は、わたしたちがスタジオを作成してく過程で学んだことです。それぞれの分野に対し、わたしたちはあくまでも素人です。誤った数値や、解釈違いの内容があるかもしれません。ご了承お願いいたします。