前回の学習で、年金にも税金が引き続きかかることを知りました。
参考記事年金にも税金はかかります!その見込み額、手取りではありません
現役世代よりもグッと収入が減る、老後の年金生活。 目次年金にも税金はかかります 65歳未満+年金受給額108万円超、65歳以上+年金受給額158万超、の方が所得税の課税対象者です ...
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今回は年金にかかかる税金について、住民税のこと、一歩進めて「住民税の非課税世帯」のことを学んでみました。
ここでは以下の流れてお話していきます。
- 住民税のしくみを知る
- 住民税が非課税になる公的年金等収入額を知る
- 住民税非課税世帯が使える公の制度を知る
老後の生活を豊かなものにするためには、年金収入は多いことに越したことはありません。
しかしそこまでの積立を行えなかった場合、少しでも豊かな生活を手に入れるために公の制度を知っておくことは大切です。
夫婦の年金収入(201万+145万)、住民税の非課税世帯の境です。
住民税とはどんな税?
個人や企業はその地に足場を築くことによって、生活や活動を行うことができます。
それは地元自治体が、日常を送るための多くの行政サービスを個人なり企業なりに提供しているからです。
教育や福祉、消防や救急、ごみの処理などもその一つです。
住民税とはそれらの行政サービスに対して支払う税金です。
住民税のしくみ
住民税には個人を対象とする「個人住民税」と企業を対象とする「法人住民税」があります。
今回は夫婦の話なので個人住民税に話を絞ります。
個人住民税は、道府県民税(東京都は都民税)と市町村民税(東京23区は特別区民税)の二つの税の総称です。
住民税は後払い
個人住民税は、1月~12月の1年間の所得に対して課せられる税金です。
- 納付先:納税者の1月1日現在の居住自治体
- 納税額:新年度1月31日までに事業主から提出された「給与支払報告書」に基づき税額が決まる
- 納付期間:新年度の6月から翌年の5月までの1年間で後払い
- 納付方法:個人で支払う「普通徴収」・企業が徴収して支払う「特別徴収」
住民税は「均等割」と「所得割」の二本立て
住民税は、すべての納税者が均一に納める「均等割」と所得に応じて納税額の変わる「所得割」の二本立てになっています。
均等割
均等割りの税額は、道府県民税(都民税)が1000円・市町村民税(特別区民税)が3000円が標準税率です。
但し、東日本大震災後、防災や減災事業の財源確保のために時限立法として2014年度から2023年度までの間、道府県民税(都民税)が1500円、市町村民税(特別区民税)が3500円に引き上げられています。
所得割
所得割額=課税所得×10%(市町村民税6%+道府県民税4%)
これを公的年金等の収入に当てはめてみます。
公的年金等による収入-公的年金等控除=公的年金等に係る雑所得
公的年金等に係る雑所得-所得控除=課税所得
課税所得×税額10%=公的年金等による収入に対する住民税の所得割り額
ちなみに公的年金等とは
公的年金(国民年金、厚生年金)・企業年金などのほか、国民年金基金や中小企業共済、iDeCoなどを制度を利用して分割受給を選択した場合も、この「公的年金等」に含まれることになります。
参考記事40代からの資金形成 ~彼女がiDeCoを選んだ理由
公的年金だけでは老後の生活を安心して暮らすことは難しいと言われて久しくなります。 老後の生活費の不足を補うために、国はいくつかの資金形成制度を用意しています。 国民年金基金、中小企業共済、iDeCo、 ...
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住民税の計算式
年金収入に対する住民税額の出し方をまとめてみます。
均等割:道府県民税(都民税)1500円+市町村民税(特別区民税)3500円=5,000円 (2023年度まで・以降は4,000円に戻る予定)
所得割:課税所得×10%(市町村民税6%+道府県民税4%)
住民税額=所得割額-調整控除額+均等割5,000円(2024年度以降4,000円)
となります。
ここで新しい項目が出てきました。
調整控除
調整控除に関しては、東京都三鷹市のサイトがわかりやすかったので引用します。
調整控除(令和2年度市民税・都民税用)とは、「所得税から個人住民税への税源移譲」に伴い、所得税と個人住民税の人的控除額(基礎控除、扶養控除など)の差額から税負担が増えないように調整するため、個人住民税の所得割額から一定額を控除するものです。