令和4年(2022年)5月の法改正により、iDeCo(個人型確定拠出年金)の加入年齢が60歳未満から65歳未満へと拡大されました。
この加入年齢の延長に先立って、受給年齢も「60歳以上70歳未満」から「60歳以上75歳未満」に延長されています
これらの法改正によって、今まで年齢的なことでiDeCoへの加入に二の足を踏んでいた人にも ’ それならば ’と思われた方が少なからずいらっしゃるのではないでしょうか。
これまでは加入しても掛金を積み立てられる期間が短いと、「運用できる金額が小さい・所得控除を受けられる期間が短い」にもかかわらず、受給年齢に達するまで支払うことになる「運用管理費用が割高」と感じてしまっていたかもしれません。
また、投資は「長い目で見る」ことが大事と言われます。
投資をしていれば悪い時もあるでしょうが、ある程度の期間続けることで、利益を得られる機会がグッと増えます。
そう考えると、この5年の延長もとても大きな意味を持つように思えます。
ただし残念ながら、この加入年齢延長には条件があります。
今回はiDeCoの法改正について、以下の項目にスポットを当てて学んでみました。
- iDeCoの復習-iDeCoってなんだっけ?
- iDeCoへの加入が65歳未満まで拡大されるための条件
- iDeCoへの加入が65歳未満まで拡大したことのメリット
- iDeCoの受給開始年齢が75歳未満まで延長したことのメリット
最後の2つの話は、例えばわたしと同世代の人間が今から加入したらどういうメリットが生じるのかと考えてみたものです。
iDeCoってなんだっけ?
iDeCoってなに?
そこから復習してみます。
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公的年金だけでは老後の生活を安心して暮らすことは難しいと言われて久しくなります。 老後の生活費の不足を補うために、国はいくつかの資金形成制度を用意しています。 国民年金基金、中小企業共済、iDeCo、 ...
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iDeCoを簡単に言うと、
- 国が用意した年金補助制度
- 個人で掛金を積み立て運用し、運用成果も個人次第
- 運用中に得られた利益は非課税
- 掛金が全額所得控除・受取時にも税制優遇を受けられる
- 20歳から65歳になるまで加入できる
- 受給期間は60歳から75歳まで (*通算加入者等期間によって異なる)
という特色を持った、公的老後資金形成制度です。
公的年金の上乗せ制度として生まれた企業年金(確定給付型企業年金や企業型確定拠出年金)に対する形として、個人事業主やフリーランス、企業年金のない会社に勤める会社員に向けて作られた制度が iDeCo(個人型確定拠出年金)でした。
その後、条件を満たす全国民が加入できるようになりました。
iDeCoへの加入条件
iDeCoへの加入条件は、原則以下のとおりです。(2023.1月現在)
iDeCoへの加入条件は、その成り立ちが「個人事業主やフリーランス、企業年金のない会社に勤める会社員への年金上乗せ制度」のであっため、
- 国民年金に加入していること
ということが、大前提となっています。
65歳未満まで拡大されるための条件
前述のとおり、iDeCoへの加入条件が【国民年金に加入していることが前提】となっているため、加入年齢の拡大も「国民年金に加入している65歳になるまでの国民」ということが条件になっています。
具体的に言えば、
- 自営業者(第1号被保険者)・専業主婦、主夫(第3号被保険者)で国民年金を40年間分納めておらず、 不足分を60歳以降任意加給しなおした
- 60歳以降も会社員や公務員(第2号被保険者)として働き続け、厚生年金に加入している
という人たちが、65歳になるまでiDeCoに加入できることになります。
その場合、第1号・3号被保険者に関しては「不足期間のみ」、第2号被保険者に関しては「就業期間中」となることに要注意です。