50代シニア世代夫婦。
学生だった子供も社会人となり、やっと子育てを終了する時期です。
’さて、これからの人生をどう過ごしていくか’
夫婦でこんなことも考える機会が出てくることでしょう。
そして、これまでの生活費用の見直しの話も一緒に。
子供にかかってきたお金の話から、これからの生活費の話に進んでいきます。
そんな中、突拍子もなく出てきたのが生命保険料の話。
今回は高額療養費制度について、対象者・対象期間、自己負担限度額、申請方法、そして注意点などを学んでみました。
高額療養費制度とは
高額療養費制度とは何か?を簡単に言うと、医療費が家計の負担にならないようにするために国が行っている制度の一つ と言えます。
国民皆保険制度
日本は国民皆保険制度になっていて、国民は何らかの公的医療保険に加入しています。
国民健康保険(国保)、全国健康保険協会(協会けんぽ)、健康保険組合、75歳からの後期高齢者医療制度などがそうです。
- 義務教育就学前(6歳未満)医療費自己負担2割
- 6歳~69歳まで医療費自己負担3割
- 70歳~74歳まで医療費自己負担2割または3割
- 75歳以上医療費自己負担1割または3割
この保険制度のおかげで、国民の医療費負担は1~3割に抑えられています。
まさにそのとおり、そこで今回の高額療養費制度が登場してくるのです。
高額療養費制度は上限を超えた分を返してくれる制度
先ほど高額療養費制度とはどんな制度なのかを手短に説明しましたが、もう少し具体的に言いますと、
高額療養費制度とは、ひと月の間の医療費自己負担額が、決められた上限を超えた場合に、超えた分の費用を返してくれる制度 となります。
対象者は?
高額療養費制度を使える対象者は、公的医療保険加入者です。
原則はそうなります。
対象期間は?
月の初め(1日)から月の終わり(30日または31日)の間に、医療機関や薬局の窓口などで支払った保険適用費用が対象になります。
あくまでも、「その月で」という考え方です。
自己負担限度額は?
高額療養費制度を利用した場合の自己負担額の上限は、年齢と所得で変わってきます。
年齢で言うと70歳を境に変わってきます。
厚生労働省の発表している資料を見てみましょう。
【70歳以上の自己負担限度額】
【69歳以下の自己負担限度額】
条件によって、さらに自己負担の軽減あり
高額療養費制度は、条件によってさらに自己負担を軽減することができるしくみがあります。
- 世帯合算
- 多数回該当
この2つのしくみを見てみましょう。
世帯合算
例えば、家族が大所帯の場合。
このような場合に使えるのが「世帯合算」というしくみです。
同一世帯で保険適用の医療費を合算して限度額を超えれば、還付申請できるということです。
ここでも、厚生労働省が発表している資料を見てみましょう。
ただし、この世帯合算を使うにはポイントとなる条件があります。
それは、同じ公的医療保険に加入している者同士ならば合算できるということです。
この条件は、この後にお話する「高齢者医療制度の申請の仕方」、つまり事務手続きの問題も関わってくるのでしょう。
多数回該当
例えば、自分または家族が長患いをしている場合。
このような場合に使えるのが「多数回該当」というしくみです。
厚生労働省が発表している資料を見てみましょう。
過去12ヵ月以内で3回以上自己負担額が上限を超えた場合、4回目以降上限額が下がり還付申請がしやすくなるということです。
ここまで高額療養費制度の内容を学んできましたが、次は申請方法を調べてみました。