そもそもの話

001. プライベートスタジオ作りを始めるまで

2021年4月23日

土地購入までに至るあらすじ

五十を過ぎてドラムを習いだした妻。

すぐにその虜になってしまいました。

そこに立ちはだかるのが「練習場所」。

爆音ゆえに自宅で練習することは叶わず、レンタルスタジオを転々とすることに。

そしていつしか口を開けば、彼女はこう言うようになりました。

wifey
’プライベートスタジオがあったらなぁ’

これは、あくまでも夢。

しかしこの強い思いが、この奮闘の始まりとなってしまうとは思いもしませんでした。

彼女の1週間の練習スケジュール

最初の3年間は、

  • 週1回=音楽教室での個人レッスン
  • 週2、3回=レンタルスタジオで自主練習

自宅では、枕の上に置いた練習用パットを軽く叩くような練習を時間を見つけては行っていました。

セッションをしたいという衝動に駆られ

練習を重ねて行くにつれ、彼女は他の楽器とセッションをしたいという気持ちが強くなったようです。

そこで、初~中級者でもセッションに参加できるイベントに参加し始めました。

従来の個人レッスンに加えセッションと、準備をする時間がグーンと増え、スタジオを借りる回数もググーンと増えて行った訳です。

それでも尽きないドラム愛

ある時期から、通っている音楽教室で「空いている教室を1回60分、月何度でも定額で」というサービスが始まりました。

そのおかげで、他のレンタルスタジオとの併用で彼女はほぼ毎日練習を行うことができるようになったのです。

しかしそれでも以前に増して、妻の口からこぼれるのは、

’プライベートスタジオがあったらなぁ’

彼女は本当に、ドラムに恋をしてしまったのです。

プライベートスタジオを作ろうと思った経緯

ある時、妻にこう言われました。

’プライベートスタジオを作ろうと思う’

初めは防音室を考えた

プライベートスタジオなんて夢のまた夢。

そんなことは妻も思っていたと思います。

ただし、

  • 好きな時に練習ができない
  • スタジオを借りる費用がかさむ

この二つの問題は、黙っていたら永遠に続くことも分かっています。

そこでまず、住居の中に防音室を入れるという比較的手の出し易い方法を検討しました。

防音室の展示場に行き、部屋の中にドラムを入れてもらい、音漏れ・振動の確認もしました。

エレキドラム(エレドラ)なら何とかいけそう、けれど生ドラムは難しいということもはっきり分かってしまいました。

エレドラと生ドラムは似て非なるもの。

生ドラムで練習する夢を捨てなくてはいけないの・・・。

空き家を借りてスタジオに改造できないか?

自宅内に防音室を入れるだけでは到底生ドラムを叩くことができないことを知った彼女は、次の手段を模索し始めました。

空き家や空き工場を一定期間借りて、そこをスタジオに改造できないか?

思いつくと実行に移すのが彼女の強いところ。

ネット情報から空き家、空き工場を探し、二人で実際の物件をいくつ見たことか。

片道1.5時間程度の郊外まで、脚を伸ばして探しました。

しかし分かったことは、予算も含めそんな都合のよい空スペースは見つからないということでした。

行きつけのレンタルスタジオの閉店

そうこうしているうちに、妻にとてもショッキングな出来事が起きました。

彼女の練習の主戦場だったレンタルスタジオが閉店することになったのです。

しかもコロナの影響を受け、閉店が早まる始末。

歩いていける。

回数券を利用すれば、地域一番のコストパフォーマンス。

なんとか保てているドラムの練習環境。

このスタジオの閉店は、プライベートスタジオを持つことへ彼女の決意をより強めた出来事でした。

身体が自由に動くのはあと10年、ならば一からスタジオを作ろう

空きスペースを探すことが難しいと分かりだした頃、妻はわたしに真顔でこう言いました。

‘身体が自由に動くのはあと10年。人生に悔いを残さないために、生ドラムが叩ける自分のスタジオを一から作ろうと思う‘

よくよく考えたのでしょう。

その意志に同意しなければ「別々の道を歩みましょ」と言われかねない真剣さでした。

どちらかと言うと、石橋を叩いて渡る性格のわたし。

そんなわたしでさえ彼女の熱意に「身体が動くのもあと10年かぁ」と思うようになり、その頃から二人で土地探しを始めることになったのです。

ネットで情報を収集し、土地を見行くことが始まりました。

この後、長い旅が待っていることも知らずに。

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