スタジオができるまで

028. 地盤調査の結果次第では構造の見直しも

2021年7月2日

地盤調査と費用

五十を過ぎてドラムを習いだした妻。

いつしか口を開けば、彼女はこう言うようになりました。

プライベートスタジオがあったらなぁ

地盤調査が始まり、心は地盤改良のことに移ったわたしたち。

雨の日の地盤調査は結果に影響するか?
合わせて読みたい027. 雨の日の地盤調査は結果に影響する?

地盤調査が始まりました。ふと一つの疑問が頭に浮かびました。地盤調査は雨の日に行っても支障はないの?地面がびしょびしょだと、結果も悪い方向に出そうな気がします。この素朴な疑問を調べてみました。

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地盤調査の結果次第では地盤改良という、これもお金のかかる工事をしなくてはいけなくなるかもしれない。

戦々恐々の心持の中、妻がポロリと言いました。

wifey
そう言えば、杉浦さんと「地盤調査の結果と今後のこと」について話したことがあったんだ。
聞いてないよぉ。
hubby

今回は「地盤調査の結果と今後のこと」について、建築家の杉浦さんと妻が交わしたやりとりをちょっとだけ紹介します。

※文中に示す値や内容は、わたしたちがスタジオを作成してく過程で学んだことです。それぞれの分野に対し、わたしたちはあくまでも素人です。誤った数値や、解釈違いの内容があるかもしれません。ご了承お願いいたします。

地盤改良の費用について

わたしたちが購入した土地付近で行われた、いくつかのボーリング調査の結果(公開されている5つの地点)をもとに地盤改良の費用を妻が杉浦さんに尋ねています。

そのうちの1地点(④とします)が、わたしたちがプライベートスタジオを建てようとしている土地と地形が近いんではないかと言う仮定で話をしています。

wifey
④の土地の場合ですが、以下のような理解でよいでしょうか?
>RC2階建…11mくらいまで杭が必要→改良300万円コース
11mとなりますと、一般的な柱状改良の施工可能深度を超える可能性があり、小口径鋼管杭になってしまう可能性があります(恐らく150万円くらい)。液状化の対策としてはこれがベストです。それよりも深い12m以深となると一般的な鋼管杭になり300万円コースというようなイメージです。
sugi
wifey
4mまでの杭を打って、混構造という選択肢もあるのですか? 建物の重さを軽くするために「RC+木造の混構造」・・。
深さ3m~4mの層までの柱状改良や鋼管杭,浅層改良等でおこなえるならば、100万円を切ると思います。液状化についても、地面に乗っているよりも刺さっている方が建物が傾きません(液状化には有利)。
sugi

話は建物の構造へと

地盤改良の費用によってはオールRC造をあきらめ、RC造と木造の混構造の可能性を妻が杉浦さんに聞き始めています。

wifey
混構造にした場合、耐火建築に相当するのでしょうか?建蔽率80%に緩和される条件に当てはまりますか?
はい。耐火建築物ではなく、準耐火建築物になりますが、準耐火以上であれば受けられます。(通常の木造二階建てはそれ以下の防火構造という扱いです)
sugi
wifey
木材が高騰していると伺いましたが、新たなコストアップにつながりますか?
はい、これは現在の問題ですね…。現時点で、構造材は3割増しと言われはじめています。

現時点では、費用的には総RC造とまだ同程度で可能ではないかと踏んでおります。理想としては屋根だけ木造にして荷重を抑えて、できるだけRC部分を残せたらとも思います。

ただもう一つの懸念材料として、防音材の荷重のことがあります。荷重が500㎏/㎡ ありました。地盤の状態によっては、この荷重のことで混構造が前提になってしまう可能性もあります。

sugi

建築総予算に及ぼす地盤改良費の影響

地盤改良の費用が当初考えていた金額よりも高くなってしまうかもと心配し始めた妻。

プライベートスタジオ作り自体が可能なのかが不安になってきました。

wifey
単刀直入に申し上げますが、この土地に概算でいただいた総建築費で1階スタジオ+2階居住部分を建てることは、杉浦さんの目からご覧になって可能ですか?

実際の土地の地盤調査結果が、④よりも良い方に転ぶか、悪い方に転ぶかにかかってますが、近隣データからは11mに支持層があるだろうという推測できます。よって、確立としては良い方向に転ぶ方が高そうに思います。そうあってほしいですね。
sugi

wifey
2階は1階をしっかり造った余りのお金でできるだけと思っています。

建主さんのこの気持ちがあれば、設計者としてもあらゆる可能性を検証し粘り強く関わりたいと思います。

実際の地盤の調査結果がない事には正直断言はできませんが、11mまで小口径鋼管杭を打つことになっても、優先順位を詰めていけば実現できると考えております。

毎回、地盤の状態が分かって土地が買えるとこのような悩みや手間が無くて良いのになと思います。今回は建物がありますが、更地の場合や旧建物が使えない場合は、解体のうえ、地盤調査まで行って売りに出されるべきだと思いますよね… 購入後の費用が大きく変わるものですので…。

sugi

「地盤調査の結果と今後のこと」について、建築家の杉浦さんと妻の間でこのようなやり取りが交わされたのでした。

おわりに

解体工事に続いて地盤調査と、見えない敵とわたしたち二人は戦っている感があります。

このやり取りの最後に杉浦さんが言われた「更地の場合や旧建物が使えない場合は、解体のうえ、地盤調査まで行って売りに出されるべきだと思います」と言う言葉が本当によくわかるようになってきました。

設計プランの第一回目のプレゼンテーション日が決まりました。

その頃には、地盤調査の結果も出ているのでしょう。

ベストとは言いません、ベターな結果が出ていることを願っています。

※文中に示す値や内容は、わたしたちがスタジオを作成してく過程で学んだことです。それぞれの分野に対し、わたしたちはあくまでも素人です。誤った数値や、解釈違いの内容があるかもしれません。ご了承お願いいたします。

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