五十を過ぎてドラムを習いだした妻。
いつしか口を開けば、彼女はこう言うようになりました。
’プライベートスタジオがあったらなぁ’
先日、防音賃貸マンションを提供されている企業さんによってスタジオの遮音性能の測定がおこなわれました。
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建物の引き渡しの前に、建築士事務所主催の内覧会が開かれました。その時に、来られた方々の中に ’防音効果を測定させてほしい ’という申し入れをしてきた企業さんがありました。第三者による測定の結果は、わたしたちのためにもなると思い了承しました。
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そして先週末、その結果を頂きました。
専門的で理解が難しい内容もありましたが、おおむね好ましい結果を頂いたのではないかとわたしたちは考えています。
※文中に示す値や内容は、わたしたちがスタジオを作成してく過程で学んだことです。それぞれの分野に対し、わたしたちはあくまでも素人です。誤った数値や、解釈違いの内容があるかもしれません。ご了承お願いいたします。
測定方法
【実施日時】
1月某平日 13時~15時
【測定機器】
リオン製 NL-42
【測定方法】
遮音性能の測定は、“建築物の空気音遮断性能の測定方法”に基づいて行った。
すなわち、音源側に設置したスピーカからオクタ―ブバンドノイズを発生させ、音源側および受音側でオクタ―ブバンド音圧レベルを測定し、その差から音圧レベル差を求めた。
特に欠陥のない室間の遮音性能は、高音域になるに従って音圧レベル差が大きくなり、グラフ上では右上がりの特性になる。
測定結果
1.1階防音室から2階寝室間の遮音性能
遮音性能値は D-65。
1000Hz 帯以上の高音域では、2 階の受音量が暗騒音を下回り測定できない。
500Hz 帯以下、特に 63Hz 帯・125Hz 帯などの低音域では、外部の騒音レベルが大きく、聞きとりにくい。
2.1階防音室から1階防音扉前の遮音性能
防音扉を閉めた状態の遮音性能値は D-30 であった。(非居室のため、参考値)
3.1階防音室から1階防音扉近くの換気口前の遮音性能
防音扉を閉めた状態の遮音性能値は D-30 であった。(非居室のため、参考値)
4.1階防音室から外部の遮音性能
外部の騒音レベルが大きく、通常の状態では測定不可。
5.防音室暗騒音
125~4000Hz 帯域において 20dB 以下と高い性能を示す。
※D 値外だが、本測定では騒音の問題となりやすい 63Hz 帯も参考として計測している。
※本測定結果は、簡易測定によるため、上記性能を保証するためのものではない。
結果を受けて
この測定でわたしたちが気にしていたことの一つに「スタジオから発する音が屋外に影響を及ぼしているか」ということがありました。
そして、今回の測定結果に表現されている、
- 外部の騒音レベルが大きく、通常の状態では測定不可
という文言は「平日の昼間において外部の環境音にかき消されるほどの音量で測定不可能」とわたしたちは解釈しました。
このことは、わたしがスマホの録音機能を使って「スタジオからの音の漏れ」を測定した結果を裏付けてくれるような形となりました。
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さてこの日、妻が練習をおこなっている間、手持ち無沙汰になったわたしは、スマホを使ってスタジオから洩れる音を確認してみました。結果、屋外では生ドラムの音はまったく聞こえませんでした。スタジオを作った甲斐が本当にありました。是非お聞きください。
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また、この結果を連絡してくれた 建築士の杉浦さんと測定された企業さんとの間でも、
●今回の住宅は、外では聞き取りができないほど高性能だった
●外に対しての音漏れを防ぐ、ということが主目的だったこともあり、一般的な楽器可防音マンションとは圧倒的に差がある
●今回の住宅は防音室から2階への遮音性で、一般的な楽器可防音マンションの隣戸への遮音性能とほぼ同じ性能になる
●今回の測定対象ではないが、反響(フラッターエコー)も少なく、かつデッド過ぎない空間で、調音もよかった
というような話がされたと聞いています。
’ 生ドラムを叩きたい、けれどご迷惑はかけない ’という、わたしたちのこのスタジオへの思いが実ったようで大変嬉しい思いをしました。
※文中に示す値や内容は、わたしたちがスタジオを作成してく過程で学んだことです。それぞれの分野に対し、わたしたちはあくまでも素人です。誤った数値や、解釈違いの内容があるかもしれません。ご了承お願いいたします。