建築の知識を学んだよ

059. 建物の表題登記

2022年12月16日

表題登記をしてきました

五十を過ぎてドラムを習いだした妻。

いつしか口を開けば、彼女はこう言うようになりました。

wifey
プライベートスタジオがあったらなぁ

その言葉から始まった、妻のプライベートスタジオ作成への道。

その道すがら、終始わたしたち夫婦を悩ませたのが「音響・建築」の専門用語・慣習。

音響・建築に関して全くの素人であるわたしたちが、それら専門用語や慣習を調べ解釈して行った経過を記録に残しています。

今回は建物の登記に関することです。

建物の引き渡しを受けた後に行う登記には、必ず行わなければならない「表題登記」と任意で行う「保存登記」があります。

先日わたしたちは、代理申請をせずに自分たちで「表題登記」を行ってきました。

※文中に示す値や内容は、わたしたちがスタジオを作成してく過程で学んだことです。それぞれの分野に対し、わたしたちはあくまでも素人です。誤った数値や、解釈違いの内容があるかもしれません。ご了承お願いいたします。

表題登記

まず、表題登記とはどういうものなのかをお話します。

表題登記とは

表題登記とは、公的に記録されていない土地や建物について、その「所在・規格」を新たに公の帳簿(登記簿)に登録することです。

所有者を登録する「保存登記」とは異なり、表題登記はあくまでも  ‘ここに新しい土地ができたよ・新しい建造物を建ったよ ’ という登録になります。

この登記によって、自治体税務部署も新しい建物ができたことを知ることになるのでしょう。

  • 土地表題登記
  • 建物表題登記

申請件数は、圧倒的に建物表題登記の方が多いようです。

海底から陸地が盛り上がってきたり、埋め立てたりするようなことがない限り、そう滅多に新たな土地を登録するということはないからでしょう。

それに対して、新築で建物を作るごとにおこなう「建物表題登記」の申請件数の方が多いことはうなずけます。

登記申請の期限

建物表題登記の申請は、建物の受け渡し完了後1ヵ月以内におこなわなくてはいけません。

一方、保存登記に関しては登録義務自体がありません。

  • 建物表題登記ー建物の受け渡し完了後1ヵ月以内に申請
  • 建物保存登記ー登録義務なし

所有権をはっきりさせるための保存登記が任意だということは驚きでした。

wifey
とは言うものの、住宅ローンや不動産の売却の手続き、そして将来の危険性を考えれば保存登記は必須だよね。

ちなみに表題登記は1ヵ月以内におこなわないと、10万円以下の過料だって。(※刑罰ではないので、罰金ではありません)
hubby

登記の申請者

登記の申請者は原則所有者となりますが、その代理として「表題登記」の場合には土地家屋調査士が、「保存登記」の場合には司法書士が登記申請をおこなうことができます。

  • 登記の申請者は所有者、ただし代理人として
  • 表題登記ー土地家屋調査士
  • 保存登記ー司法書士

一般的には士業の方々にお願いすることが多いようですが、わたしたちは「建物表題登記」を自分たちでおこないました。

wifey
測量図はあったし、建物図面は建築士事務所からもらえたから、資料は揃えられると思ったよ。

建物が小さいことも気を楽にしたよね。
hubby

登記の報酬額

建物表題登記を土地家屋調査士に依頼した場合の費用は、おおよそ10万円前後のようです。

ちなみにマンションなどの区分建物の表題登記は建物の販売者がおこないますので、購入者が登記をおこなう必要はありません。

  • 一般的な1戸建てで、おおよそ10万円前後

プライベートスタジオ完成までの費用をできる限り抑えたいと考えていたわたしたちは、この10万円前後の費用を可能なら削減したいと思っていました。

登記の申請先

表題登記は、不動産の所在地を管轄する法務局(出張所)に申請します。

  • 所在地を管轄する法務局へ申請

わたしたちの場合、プライベートスタジオはあくまでもセカンドハウス(練習場・仕事場)であって住民票は現住所のままなので、登記申請を「本住居の所在地」に出すのか「スタジオの所在地」に出すのかを最初は迷いました。

表題登記に必要な書類

表題登記の申請の際に提出する書類は以下のとおりです。

  1. 登記申請書
  2. 所有者の住民票
  3. 建築確認通知証・検査済証
  4. 工事完了引渡証明書(登記事項証明書、印鑑証明書)
  5. 各階平面図・建物図面
  6. 委任状(代理人に申請してもらう場合)

【登記申請書】

最近では行政に提出する書類はおおよそインターネットでダウンロードできることが多くなりましたが、表題登記申請書に関しては公式ファイルを見つけることができず、ネット上の資料を参考にしてPCで作成しました。

表題登記申請書

【建築確認通知証・検査済証】

通常、建築工事が終わるまで施工会社が管理していて、建物の引き渡し時に所有者が受け取ることになります。

【工事完了引渡証明書】

建築工事が完了し、建物を施主に引き渡したことを施工会社が証明する書類です。

その際に施工会社を確認できるものとしてその会社の商業登記事項証明書を、引き渡し証明書に押されている施工会社の印を証明するものとしてその会社の印鑑証明書が必要となります。

【各階平面図・建物図面】

各階平面図は、建物各階の形状・広さ、そしてその広さを求めた計算式(求積方法)を示したもの。

建物図面は、建物の形状および敷地に対する位置関係を示したものになります。

この図面によって、隣接する他の土地との距離や位置関係もわかります。

各階平面図 建物図面

各階平面図と建物図面をまとめられたものを、単に「建物図面」と呼ぶこともあるようです。

各階平面図は250分の1、建物図面は500分の1の縮尺、線の太さは0.2㍉以下で描かなければならないのですが、特別なソフトを持たないわたしたちはこのことに本当には悩まされました。

わたしたちの場合、PCを使って初め大きく描き、最終的に縮小してサイズを合わせていったのですが、線の長さや太さを正確に合わせることが大変でした。

表題登記申請後

提出書類に不備がなければ、法務局担当者による現地検分となります。

わたしたちの場合、建物図面の線の長さに不備があり、再提出となりました。

その後、再提出した書類がOKとなり現地検分もおこなわれ、ついに登録許可となり通知書が送られてきました。

登記完了証

自分たちで表題登記をしてみて

わたしたちが表題登記を自分たちでおこなうと決めて、図面作製も含めて書類作成に1、2日、所在地管轄の法務局に脚を運ぶこと2回、検分の立ち合い1回。

wifey
この手間で10万円の費用が削減できたことは、わたしたちにとっては大きかったよ。

ただしわたしたちの場合は、以下の点で登記申請をしやすかった状況にあったのかもしれません。

  • 平日に比較的時間を融通することができた
  • 建物が小さく、記載事項が少なかったこと
  • 建築事務所ならびに施工会社の方々が登記申請に協力的だったこと

この後、建物保存登記が残っています。

もちろん、自分たちでおこなうつもりよ。
wifey

後日、所有権保存登記の申請も自己でおこなってきました。

保存登記申請書-

(所有権)保存登記の申請の際に提出した書類は以下のものです。

  1. 登記申請書
  2. 所有者の住民票
  3. 印紙(登録免許税)

登録免許税の軽減措置を申請する場合には「住宅用家屋証明書」を、申請を代理人(司法書士)に頼む場合には「委任状」が他に必要になります。

ちなみに、登録免許税や固定資産税の軽減措置を受けられる条件の一つに、床面積が50㎡以上(他にも条件あり)があります。

wifey
うちの場合、床面積が50㎡なくて受けられない。

設計の際にそこまで考えが及ばなかった。及んでいたとしても、数年の軽減措置と建築代と天秤にかければ、3階建てにするなどして床面積を増やすということはしなかっただろうね。
hubby

登録免許税額の計算に関しては、法務局のサイトに掲載されている「課税標準価格」と床面積から課税価格を計算して税率(0.4%)をかけて算出しました。

課税標準価格(東京法務局内)

※文中に示す値や内容は、わたしたちがスタジオを作成してく過程で学んだことです。それぞれの分野に対し、わたしたちはあくまでも素人です。誤った数値や、解釈違いの内容があるかもしれません。ご了承お願いいたします。

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